ほしのさとでは、ご利用者が人生の最期に、大切な人へ「ありがとう、さようなら」が言えるように、人としての可能性を最期まで信じて追及し、実現できるように学習療法を導入し実施しています。
学習療法とは?
東北大学の川島教授が最先端の脳科学の知見のもと開発した認知症の改善・維持を目指すプログラムで、スタッフと学習者(ご利用者)で簡単な読み書き、計算をコミュニケーションにとりながら実施します。学習療法を行うことで脳の前頭前野(脳の司令塔で、思考したり、意思決定や記憶をコントロールしたりする器官)が活性化し、認知症の予防、改善を図ります。
スタッフは誰でも実施できるのか?
学習療法を実施するスタッフは、「学習療法実践士」の資格の取得が必要です。
施設内で研修を受講し、3カ月以上の実務経験を経て、取得できます。ほしのさとでは8割以上のスタッフがすでに実践士の資格を取得しており、日々交代しながら学習療法の実施をしています。
学習療法の期待される効果は?
脳が活性化することで、ご利用者の表情が豊かになったり、生活に意欲的になったり、コミュニケーションが円滑にとれるようになります。また、学習療法の効果や気づきをご入居者に関わるスタッフ全員で共有することで、日々のケアやリハビリ、関わり方に活かしていくことができます。
ほしのさとの事例
ご利用者
例1. 意思決定することが苦手であったW様
→こっちが飲みたいと選ぶことができるようになった。また、自ら言葉を発することは少なかったが、職員、他入居者に自ら挨拶をされるようになってきた。
例2. 物事に集中することが苦手だったT様
→学習をしている間、集中することができるようになった。普段の生活の中でも少しずつ集中して何かを行うことができるようになっている。
スタッフ
教材を介してスタッフとご利用者のコミュニケーションが深まります。元々コミュニケーションを図る事が苦手だったスタッフも学習療法の実践を通して、自分からコミュニケーションを図ることが出来るようになりました。
コミュニケーションが深まる事で、お互いの笑顔も増えました
なぜ、ほしのさとは学習療法を実施しているのか?
ご利用者の生活の質(QOL)を高めることで、認知症によって一旦失ってしまった「その人らしさ」を、学習療法を通じて再び取り戻してほしいという思いからです。毎回関わったスタッフが学習療法で実施した内容、ご利用者の変化や気づいたこと、コミュニケーションから得たご利用者の情報を記録し、スタッフ間で共有して、日々のご利用者との関わり方にも参考にしています。また、ご利用者の思いやしたいことを引き出し、施設での生活の中でも可能な限り実現できるようにしています。