スタッフブログ

2026/06/30 スタッフブログ

攻めの介護の時代

攻めの介護の時代

感謝されるだけの介護から、成果を生み出す介護へ

特別養護老人ホーム ほしのさとで施設長をしている増田です。

介護は今、これまでの延長線上では語れない時代に入ってきたと、私は強く感じています。

ICT機器の進化、AIの活用、科学的介護の浸透、そして人口減少による介護人材不足。
こうした変化の中で、介護の価値観そのものが大きく変わってきました。

だからこそ今、介護の仕事に求められるものも変わっています。
これからは「お世話をする介護」ではなく、「成果を生み出す介護」が必要な時代です。


25年前、私が介護の世界に入った理由

私が介護の世界に入ったのは、今から約25年前です。

当時、「なぜ介護の仕事をしたいのですか」と聞かれたら、私はこう答えていたと思います。

ご利用者から「ありがとう」と言ってもらえる。
人の役に立てる。
自分の存在価値を前向きに感じられる。
そして、将来的にも必要とされる仕事である。

そうした思いが、この業界に入った理由でした。

もちろん、その気持ちは今でも大切です。
ご利用者からの感謝の言葉は、介護職にとって大きなやりがいです。

しかし今振り返ると、それはある意味で、自己満足の側面もあったのではないかと思います。


感謝だけでは、これからの介護は続かない

時代は大きく変わりました。

今の介護現場では、感謝されることだけをモチベーションにして働き続けるのは難しいと感じています。
なぜなら、介護を取り巻く環境そのものが大きく変化しているからです。

かつてのような「お世話型介護」だけでは、これからの時代には対応できません。
テクノロジーが進化し、科学的介護が主流になりつつある今、介護にも専門性成果が強く求められるようになっています。

さらに、AIの活用もこれからは必須になっていくでしょう。
世の中全体で、仕事に対する価値観や働き方は大きく変わっています。
介護だけが変わらないままでいいはずがありません。


これから必要なのは「専門的介護」

私はこれからの介護において、
「誰でもできるお世話型介護」から「専門的な介護」へ変わることは必須
だと考えています。

介護職の役割は、単に日常生活を支えることだけではありません。
専門的なケアによって、ご利用者がその方らしい生活を、少しでも長く続けられるように支援すること。
そこにこそ、本来の介護の価値があると感じています。

そのためには、感覚や経験だけに頼るのではなく、根拠に基づいた実践が必要です。

介護や看護などの多職種でしっかりアセスメントを行う。
プランを立てる。
実施する。
成果を出す。
そして、なぜ成果が出たのか、どうやって成果につなげたのかを言語化し、再現性を高めていく。

私は、これこそが本来の介護だと思っています。


介護保険制度も「成果」を求める時代へ

介護保険制度が始まってから、長い年月が経ちました。

その中で、加算の考え方も大きく変わってきています。
以前は、職員配置や体制そのものが評価される面が強くありました。
しかし今は、アウトカム評価、つまり「どのような成果が出たのか」がより重視される流れになっています。

科学的な数値での報告が求められるようになったのも、その表れです。

私は、これはごく自然なことだと思っています。
どの仕事でも、価値は結果によって示されます。
介護も例外ではありません。

これからは、専門的なケアによって生まれた成果が正しく評価され、その成果に応じた報酬やインセンティブがある。
そんな仕組みが当たり前になるべきだと、私は強く願っています。


私たちの特養が実践している4つの専門的ケア

私たちの特養では、現在4つの専門的ケアを実施しています。

学習療法

学習療法は、単に「認知症予防のために何かをする」ということではありません。
ご利用者一人ひとりの力を見極めながら、読み書きや簡単な計算などを通して、脳の活性化を図り、その方が本来持っている力を引き出していくケアです。

私たちが大切にしているのは、できないことに目を向けるのではなく、「まだできること」「引き出せる力」に目を向けることです。
学習療法を継続する中で、表情が明るくなったり、会話が増えたり、生活への意欲が高まったりすることがあります。そうした変化は、ご本人にとっての自信につながるだけでなく、周囲の職員やご家族にとっても大きな喜びになります。

認知機能への働きかけだけではなく、その方らしい生活を続けていくための土台を支える。
学習療法は、まさにそのための専門的ケアの一つだと考えています。

コンチネンスケア

コンチネンスケアは、排泄に関する課題に専門的に向き合い、ご利用者の尊厳と生活の質を守るための大切なケアです。

排泄の問題は、とても個人的で繊細なテーマです。
だからこそ、ただ介助をするだけではなく、その方の身体状況や生活リズム、排泄パターン、食事や水分量、活動量などを丁寧に把握しながら、適切な支援を考えていく必要があります。

私たちは、排泄を「処理するもの」としてではなく、その方らしい生活を支える重要なケアの一つとして捉えています。
適切なアセスメントと支援によって、排泄の安定につながることはもちろん、不快感の軽減、生活リズムの改善、自立支援、さらには羞恥心への配慮にもつながります。

排泄が整うことは、毎日の安心につながります。
そしてその安心は、その方の尊厳を守ることそのものだと、私たちは考えています。

重度化予防ケア

重度化予防ケアは、ご利用者の心身の状態ができる限り悪化しないように支え、今ある力を少しでも長く維持していくためのケアです。

高齢になると、体力や筋力、食事量、活動量、認知機能など、さまざまな面で少しずつ変化が起きてきます。
しかし、その変化を「年齢だから仕方ない」と受け止めるだけでは、支えられるはずの暮らしまで失われてしまうかもしれません。

だからこそ私たちは、小さな変化を見逃さず、早い段階で気づき、対応していくことを大切にしています。
食事、睡眠、排泄、移動、表情、意欲など、日々の生活の中にあるサインを丁寧に見つめ、多職種で共有しながら支援につなげていきます。

重度化予防ケアの本質は、ただ状態の悪化を防ぐことだけではありません。
その方がその方らしく生活できる時間を、一日でも長く守ること。
それが、このケアの大きな目的です。

看取りケア

私たちの合言葉は、「ご入居された日から看取りケアです」 です。

看取りケアというと、人生の最終段階になってから始まる特別な支援のように思われがちです。
しかし私たちは、そうは考えていません。
ご入居されたその日から、その方がどのような人生を歩んでこられたのか、何を大切にしてこられたのか、どのような暮らしを望まれているのかを丁寧に理解し、その方らしい生活を支えていくことこそが、看取りケアの始まりだと考えています。

つまり看取りケアとは、最期の瞬間だけに関わるものではなく、日々の関わりの積み重ねそのものです。
毎日の暮らしの中で安心をつくり、信頼関係を築き、ご本人やご家族の思いに寄り添いながら、一日一日を大切に支えていく。
その延長線上に、人生の最終段階の支援があるのだと思っています。

そのためには、介護職だけでなく、看護職をはじめとした多職種が連携しながら、ご本人の状態変化に応じた支援を行うことが欠かせません。
身体的な苦痛への配慮はもちろんのこと、ご本人の安心、ご家族の不安への寄り添い、その方らしい時間をどう支えていくかまで含めて考えていく必要があります。

看取りケアは、最期を見守るためだけのケアではありません。
ご入居された日から、その方の人生に誠実に向き合い、最期までその方らしく生きることを支えるケアです。
私たちは、その思いを大切にしながら、日々の実践を積み重ねています。

これらは、どれも簡単に身につくものではありません。
すぐにできるものでもありません。
だからこそ、私たちにとって大きな価値のある取り組みです。

この専門的ケアこそが、私たちのサービスであり、商品でもあると考えています。


自信を持って勧められるものだけが「商品」になる

どの会社でも、どの組織でも、自信を持ってお客様に勧められないものは商品とは言えません。

介護も同じだと思います。

自分たちが価値を理解し、
自信を持って提供できるケアであること。
実績を持って語れるケアであること。
再現性を持って広げられるケアであること。

その積み重ねが、介護の専門性を高め、組織の強みにもなっていくのだと思います。

そして、法人ごとにどのような専門的ケアを磨いていくかは違っていて当然です。
それぞれの組織が市場原理の中で切磋琢磨することが、介護業界全体の専門性向上につながるのではないでしょうか。


年3回の全体集会で、成果と実践を共有する

私たちは、年に3回、全体集会という勉強会を行っています。

この場では、各部署の成果を共有しながら、

どうやって実施したのか。
なぜ改善したのか。
どのような工夫が効果につながったのか。

そうしたことを全体で確認しています。

専門的ケアに必要なのは、再現性です。
たまたまうまくいった、では意味がありません。
誰が関わっても一定の成果につながるように、考え方や方法を共有していく必要があります。

だからこそ私は、この全体集会の中で、もっともっと実践と成果を共有していきたいと考えています。


今のスタッフは、この考えに共感してくれている仲間です

今、一緒に働いているスタッフは、こうした専門的ケアの考え方に共感し、チームで取り組むことに理解を示してくれている大切な仲間です。

私は、そのことをとても心強く感じています。

介護は一人ではできません。
専門職が連携し、同じ方向を向き、成果にこだわることが大切です。
その積み重ねが、ご利用者の暮らしを支える本当の力になるのだと思います。


介護は「守り」ではなく「攻め」の時代へ

これからの介護は、ただ日々の業務をこなすだけでは通用しません。

専門性を高める。
成果を出す。
成果を言語化する。
再現性を持たせる。
そして、その価値を社会に示していく。

そんな攻めの姿勢が、これからの介護には必要だと私は思います。

介護は、感謝されるだけの仕事ではありません。
人の人生に深く関わり、その人らしい生活を支え、成果によって価値を示すことができる、非常に専門性の高い仕事です。

私は、介護という仕事がもっと正当に評価され、もっと誇れる仕事になってほしいと本気で願っています。


少しでも共感してくださる方へ

もし、こうした考え方に少しでも興味を持っていただけたなら、ぜひ一度、見学にお越しください。

実際の現場を見ていただくことで、私たちが目指している介護の形を、より具体的に感じていただけると思います。

介護の未来を、待つのではなく、自分たちでつくっていく。
そんな思いを持った方と出会えることを、心から楽しみにしています。

ご興味のある方はこちらをクリックして、お問い合わせくださいませ。 

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