スタッフブログ

2025/02/28 スタッフブログ

ぬくもりを結ぶ、絵本の読み聞かせの時間     高齢者と園児の多世代交流

ぬくもりを結ぶ、絵本の読み聞かせの時間     高齢者と園児の多世代交流

こんにちは、山口県下松市にありますHUG GARDEN ほしのさと Kids(保育園)の園長の原田です。

今日は、当施設で毎月開催している特別なプログラム「絵本の読み聞かせ」についてお話しします。この取り組みは、単なる読み聞かせを超えた、世代をつなぐ温かい交流の場となっています。

施設の特色:三世代が集う場所

山口県下松市に位置する当施設は、特別養護老人ホーム、デイサービス、保育園が同じ敷地内にある複合施設です。この恵まれた環境を活かし、日常的に世代を超えた交流が行われていますが、中でも絵本の読み聞かせプログラムは、子どもたちとご利用者様の心を結ぶ特別な時間となっています。

月に一度の「絵本の時間」

毎月楽しみにしている子どもたちの「絵本の時間」。この日は、デイサービスのご利用者様が保育園を訪れ、子どもたちに絵本を読んでくださいます。

プログラムは、ご利用者様が色とりどりの絵本を手に保育園にいらっしゃるところから始まります。子どもたちは、今日はどんな絵本を読んでもらえるのかと目をキラキラと輝かせます。まるで宝物を発見したかのように、思い思いに好きな絵本を選び、ご利用者様のそばに集まる子どもたち。時には「僕もその絵本好き!」と声をあげる子もいて、会場は早くも和やかな雰囲気に包まれます。

双方にとっての貴重な体験

子どもたちにとって

この読み聞かせプログラムは、子どもたちにとって多くの学びと気づきをもたらします:

  • 多世代との触れ合い:普段接することの少ない年配の方との自然な交流
  • 絵本の世界の体験:ご利用者様の豊かな表現力で聞く物語
  • 思いやりの心の育成:相手を気遣う気持ちの自然な発達

ご利用者様にとって

一方、ご利用者様にとっても、このプログラムは特別な意味を持っています:

  • 生きがいの実感:子どもたちの笑顔に触れることで感じる喜び
  • 役割の実感:「必要とされている」という自信と活力の源
  • 世代への貢献:絵本を通じて次世代に何かを伝える充実感

心温まるエピソード

回を重ねるごとに、参加者同士の絆は深まっています。

ある日のこと、ご利用者様がページをめくる手を止められた時、隣にいた園児がそっとページをめくってあげました。この自然な思いやりの行動に、私たち職員は深く感動しました。実は、その園児は普段「自分でやる!」が口癖の頑張り屋さんなのですが、この時ばかりは誰かのお手伝いをしたくなったようです。誰に教わったわけでもなく、子どもたちが示すこうした優しさは、このプログラムの真の価値を物語っています。

プログラムの流れと広がり

絵本の読み聞かせが終わると、内容について楽しそうに語り合う姿が見られます。時には一緒に遊ぶ姿もあり、世代間の壁を感じさせない自然な交流が生まれています。

子どもたちからは、元気いっぱいの歌のプレゼントもあります。一緒にわらべうたを歌うひとときでは、笑顔と歌声が部屋いっぱいに広がります。時には、ご利用者様も思わず手拍子を打ってくださったり、昔を懐かしんで一緒に歌ってくださることも。子どもたちの「もう一回!」のリクエストに、「まだまだ元気だよ」と応えてくださるご利用者様の姿は、まさに年齢を感じさせない若々しさです。

読み聞かせの魅力

響く優しい語り口

ご利用者様の優しい語り口は、子どもたちの心に深く響きます。長年の人生経験から生まれる包容力のある声は、物語をより豊かに彩り、子どもたちを絵本の世界へと導きます。

子どもたちの反応

絵本の部屋に響く子どもたちの楽しそうな笑い声。ご利用者様の膝に寄り添い、目を輝かせて絵本に見入る子どもたちの姿は、私たち職員にとっても心温まる光景です。

みんなに広がる嬉しい変化

このプログラムを続けていると、参加している皆さんに素敵な変化が見られるようになりました。

子どもたちの成長

  • 最初は少し緊張していた子どもたちも、今では「おじいちゃん、おばあちゃん、今日は何の絵本?」と元気よく駆け寄っていきます
  • 年配の方への自然な親しみが育ち、困っている時にはさりげなく手を差し伸べる優しさも身についてきました
  • 普段は落ち着きのない子も、絵本の時間はじっと集中して聞いている姿に、私たちも驚かされることがあります

ご利用者様の活き活きとした表情

  • 「来月はどの絵本にしようかしら」と、プログラムの日を心待ちにしてくださるご利用者様
  • 子どもたちとの時間を通じて表情がとても明るくなり、活力に満ちています
  • 「また来月も読んであげるからね」と約束をして帰られる姿は、まさに頼れるおじいちゃん、おばあちゃんそのものです

施設に生まれる温かい空気

地域の方々からも「素晴らしい取り組みですね」とお褒めの言葉をいただくことが増えました

このプログラムのおかげで、施設全体に温かい雰囲気が生まれています

職員も毎回楽しみにしており、「今日はどんな素敵な場面が見られるかな」とワクワクしています

ご家族からも「祖父母世代との交流があって嬉しい」というお声をいただいています

継続的な取り組みとして

この絵本の読み聞かせプログラムは、単発のイベントではなく、継続的な取り組みとして位置づけられています。毎月の定期開催により、参加者同士の関係性が深まり、より豊かな交流が生まれています。

プログラムの準備段階から、ご利用者様は子どもたちのことを思い、どの絵本を選ぼうか、どんな風に読もうかと考えてくださいます。「今度は恐竜の絵本にしようかしら」「前回、○○ちゃんが動物好きだったから…」と、まるで孫のプレゼントを選ぶおじいちゃん、おばあちゃんのように真剣に悩んでくださる姿は、見ているこちらも思わず微笑んでしまいます。この準備の時間も、ご利用者様にとって大切な活動の一部となっています。

地域社会への貢献

このプログラムは、施設内での交流にとどまらず、下松市の地域社会全体への貢献も目指しています。世代を超えた交流は、互いを尊重し、理解し合う心を育みます。このような取り組みが、地域社会全体の絆を強くし、より良いコミュニティの形成に寄与していると考えています。

職員として感じること

このプログラムに関わる職員として、毎回新たな発見と感動があります。子どもたちの純粋な反応、ご利用者様の優しい表情、そして両者の間に生まれる自然な交流。これらの瞬間は、私たちの仕事に大きな意味と喜びを与えてくれます。

また、このプログラムは、私たち職員にとっても学びの場となっています。世代を超えたコミュニケーションの在り方、高齢者の方々の豊かな経験と知恵、子どもたちの純粋な心。これらに触れることで、私たち自身も成長させていただいています。

家族の皆様へ

このプログラムにご参加いただいているご利用者様、そして保育園の子どもたちの家族の皆様には、いつも温かいご理解とご協力をいただき、心より感謝申し上げます。

家庭でも、このプログラムでの体験について、ぜひお子様やご家族とお話しください。世代を超えた交流の価値について、家族みんなで考えていただけたら嬉しく思います。

まとめ:つながりの力

HUG GARDEN ほしのさとの絵本の読み聞かせプログラムは、ご利用者様と子どもたちの心に、たくさんの笑顔とぬくもりを届けています。

この取り組みを通じて、私たちは改めて「つながり」の力を実感しています。年齢や立場を超えて心を通わせることで生まれる温かさは、参加者全員の人生を豊かにしています。

世代を超えた交流は、互いを尊重し、理解し合う心を育み、地域社会全体の絆を強くします。これからも、この素晴らしい取り組みを大切に育み、世代間の架け橋を築いていきたいと思います。

皆様も、機会がございましたら、ぜひ山口県下松市の当施設見学にお越しください。子どもたちとご利用者様の温かい交流をご覧いただけることでしょう。

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